| 学会概要:九州アメリカ文学会の50年 |
1955年11月6日、九州在住の8名のアメリカ文学研究者によって、九州アメリカ文学会は発足した。1959年に発足した日本アメリカ文学会より4年早いスタートだった。発足時の会員(所属は当時)(*は故人)は次の通り。
当初からの主要な行事は、年1回のセミナーと総会、年数回の例会、九州各地での公開講演会、機関誌Kyushu American Literature (「九州アメリカ文学」)の発行、英宝社との協定による大学英語教科書の企画出版等多彩であった。 また本会の研究会活動は、本会創始者の方々(後進者は彼らを‘Founding Fathers’ とも呼んだ)の強い思い入れもあって、司会、発表、ディスカッション、論文執筆等すべて英語で行われた。この個性的な運営は30年以上にわたって継続し、一部の会員には近寄り難い感じを与えたとしても、ネイティヴ・スカラーの参加を容易にし、本会の機関誌は英文のため、アメリカでもよく知られ、日本におけるアメリカ文学研究の現状を示すものとして注目されていた。本会に多数の海外会員がいる所以である。 その間、日米の多数の著名な学者を招聘し、講演、セミナーに参加してもらったり、1976年には米国スタインベック協会と共催で第1回国際スタインベック学会を開催したりした。 その後会員の世代交代も進み、日本人研究者としてのアイデンティティの主張や、幅広い層の研究者の必要に応えるためもあって、発足当初の運営方針は、英語中心から日本語併用へ、セミナー方式から大会方式へと変化した。また新進の研究者向けに「九州アメリカ文学賞」を設け、会員の研究書出版のために助成金制度を設けたりもした。また事務局も、九州大学一極集中から福岡地区4大学(福岡女子大、福岡大、西南学院大、九州大)の持ち回りとし、機関誌の編集も、北九州地区と熊本地区で交替に担当することになった。 組織として、時間は前後するが、日本アメリカ文学会の発足後、1963年から日本アメリカ文学会九州支部を兼ねることになり、当然本部学会の活動にもさまざまな形で参加している。一方内部でも、九州・山口・沖縄を8地区に分け、それぞれ地区委員を置き、委員を中心に各地区独自の活動もしている。なかでも、「福岡アメリカ小説研究会」と「熊本アメリカ文学研究会」の活動は顕著で、それぞれ研究書として研究成果も発表している。 以上のように、創始者をはじめとする多くの方の努力によって、本学会は独自の誇るべき歴史を残し、一貫して九州地区のアメリカ文学研究の大きな推進力であったと言うことが出来よう。そしてその力は、今後とも継続、発展していくことを願ってやまない。 |
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(文責:田中啓介) |
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