NewsLetter

スタークビル便り

県立長崎シーボルト大学 山田健太郎

 県立長崎シーボルト大学の山田健太郎です。10月より在外研修で、ノエル・ポーク先生の勤務されるミシシッピー州立大学に来ております。最初の地名を見てピンときた方は、フォークナー研究者以外にはほとんどいないのではないかと推察します。ミシシッピー州立大学のあるスタークビルは、人口2万人強の比較的小さな市で、すぐ近くに大都市もなく、学生は"boring"としきりにこぼしているようですが、久しぶりの読書三昧の時間をようやく手に入れた私には、静かですばらしい環境です。あたりは緑豊かな風景で、境界がわからないくらい広い大学構内には芝生がきれいに植えられ、公園のような風情です。キャンパスの中央には、アメリカの大学におなじみの巨大なフットボール・スタジアムが建ち、遠くからでもスタンド席が見えます。まともな公共交通機関がありませんので、最初は生活必需品の買い物に少し不便でしたが、レンタカーを使うようになって、今は快適な生活を送っています。 今回の研究テーマは、フォークナーの時代のオクスフォードにおける映画の受容についてです。フォークナー研究者はご存知の通り、フォークナーと映画の関係についての研究はこれまでにいくつかなされており、少し古いところでは、Bruce Kawin, Faulkner and Film (1977)、最近では、永尾悟先生が『フォークナー』で書評を書かれているPeter Lurie, Vision's Immanence(2004)がありますが、30年代以降の映画とフォークナーの表現・主題を論じることが多いようです。
 今回の調査では、もう少し遡って無声映画時代からオクスフォードでの映画受容を調査し、その上でフォークナーの南部について再検討してみたいと考えています。現在は、ポーク先生の作品を細部まで徹底的に読む授業におおいに感化を受けながら、オクスフォードでの調査の準備を進めているところです。詳細につきましては、帰国してからご報告させていただきます。