The Grapes of Wrathを中心にして
北九州市立大学 新村昭雄
The Grapes of Wrathの中間章は、Nonfiction novelの実験であり、全体の構成に統一を与える役割を果たす。亀は、Okies移動農民の原始主義的生命力(アニミズム)の象徴であり、強烈な太陽(神)による大地(母神)の砂漠化の中でも大地の中に隠れて生きる生命力を持つ。Jim
Casyは、キリスト教が抑圧、否定した、地に堕とされたディオニソス的Phallic
symbol(性欲過剰の説教師)であり、古代の動物犠牲であり、磔にされた罪人(キリス
ト)であり、また、救いでもある。救いは犠牲であり、Tom Joadがそれを引き継ぐことで、再生(未来)の可能性を暗示させる。しかし、作者はなぜかキリスト教よりもエマソンのTranscendentalism超絶主義によって自分の思想を強化し、J.C.の再生は超絶主義Over-Soulによって保証される。Jim
Casyは、エマソンの大霊Over-SoulをTomに説くことによってキリスト教(一神教)と多神教の統一を志向する。
Ma Joadは、かつて人類を支配し、最高神ゼウス(天)と一神ヤーウェ(神の国)によって地下に貶められた母なる大地(地母神)の象徴である。かつて人類を支配した女神(大地)信仰は、ゼウスにより地下と海の化物に堕とされた。堕ちた地母神Ma
Joadは、しかし全身全霊で、一家を纏めようとするが、バラバラになる。Rose
of Sharonはめめしい女であったが、最後にMa Joadの意志を悟り、餓死寸前の中年男に乳を与えることで、Ma
Joad(地母神)の後継者となることが暗示される。大雨は、聖書のノアの洪水を象徴し、地球上の悪(地主・銀行)を洗い流す。雨は、天(神)と地(母神)の両方の象徴であり、多神が一つの神(Rose
of Sharonの乳=キリスト)に宿ることを暗示させる。Rose of Sharon=シャロンの薔薇=谷間の百合の暗示するするものはイエス・キリスト=復活・再生である。
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